アナログにこだわった、ミリ単位の浮遊表現
今回の作品「エックスファクター」において、最もこだわったのが「浮遊」の表現です。 日常のアイテムが重力から解放される瞬間を、CG(コンピュータグラフィックス)ではなく、すべて実写で作り込みたいと考えました。その理由は、実物が持つ質感と光の反射が、作品にリアリティと説得力を与えるからです。
緻密なスタジオセットとライティング


撮影スタジオは、昼間の自然光を遮断することから始まりました。天井に黒い遮光布を張り、ライトスタンドを駆使して理想的な光を作り出しました。 紫とピンクのネオンライトは、単なる色ではなく、被写体に当たる光の方向や強さをミリ単位で調整しています。このスタジオセット自体も、何度もシミュレーションが繰り返されました。
テグスによる吊り込み

Nintendo Switch、コントローラー、観葉植物、ランプシェード。これらすべてを、細いテグスで天井やライトスタンドから吊るしました。 風で揺れないよう、テグスのテンションや固定方法を試行錯誤。モデルの今野苺さんの動きに合わせて、小道具が最適な位置に来るよう調整を重ねました。
実写ならではの質感と、受賞への貢献

手間はかかりますが、アナログな手法だからこそ、実物の持つ質感や光の反射が忠実に表現されます。 美術館での大判展示においても、このリアリティが来場者を引き込み、GOLDという賞に繋がったと確信しています。
テグスを消すのも一苦労でしたが、その甲斐がありました!

