笹口悦民セミナー福岡レポ

フォトグラファーの赤木友厚です。

九州のフォトグラファーの皆さん、本当にお疲れ様でした!そして、今回はどうしても都合がつかなかったけれど、SNSのタイムライン越しに熱い視線を送ってくださっていた皆さん、ついに、本当についにあの伝説の時間が福岡の地で現実のものとなりました。

これまで東京開催を中心に圧倒的な反響を呼び、僕たちが指をくわえて指を鳴らしながらレポートを眺めるしかなかったあの「笹口悦民セミナー」が、我が街・福岡へと上陸いたしました!

今回はARTOLOGY(株)さん主催のもと、私、赤木友厚(Photossier Inc.)とタナカユウジ氏(UG)が協賛・現地サポートとしてガッツリ裏方を務めさせていただきました。愛機を手に、会場となったフジスタジオ株式会社(福岡市博多区堅粕)の熱気あふれる空間を駆け回りながら、自分自身も一人の受講生として脳みそが心地よくドロドロに溶けるような濃密な時間を体験してきました。

「興奮が冷めやらない」なんて言葉じゃ生ぬるい、あの熱狂のセミナー体験と、その翌日にスタジオにこもって行った意地の再現・反復練習セッションまでを、余すことなくレビューしていきます。

目次

1. 笹口セミナーin福岡:あの日の熱狂とタイムライン

今回のセミナーは、九州エリアのフォトグラファーたちの「生で笹口さんのライティングを体感したい、光の物理を学びたい!」という長年の熱い要望に応える形でついに実現しました。

まずは、あの濃密な空間の基本情報をおさらいしておきましょう。

セミナー・スケジュールと基本情報

項目詳細内容
開催日時2026年5月22日(金) 18:00〜21:00
会場フジスタジオ株式会社(福岡県福岡市博多区堅粕3丁目18-7)
主催・運営ARTOLOGY株式会社
協賛フォトシア株式会社 赤木友厚 / タナカ ユウジ
テーマ写真を撮る前に知っておくと写真が変わる!究極の柔らかいライティング

当日のフジスタジオ内は文句なしの超満員。福岡県内だけでなく、九州各県からプロ・アマ問わず「何かを掴み取って帰るぞ」というギラギラした目を持ったクリエイターが集結していました。

追加募集もありスリッパ足りなかったです。一部の方申し訳ございませんでした💦

フライヤーから始まった物語

開催前から、この1枚の告知が九州のフォトグラファーたちのタイムラインを激しく騒がせていました。

女性の顔のアップを背景に、2026年5月22日18:00開演、座学・実演テーマ、場所(フジスタジオ)、協賛(フォトシア株式会社 赤木友厚/タナカユウジ)などが記載された福岡笹口セミナーの告知フライヤー。
2026年5月22日にフジスタジオで開催された「福岡 笹口セミナー」の公式フライヤー。ビューティライティングを予感させる美しいビジュアルが特徴。

そして当日、実演のパートへ進むと、スタジオの空気感がガラッと変わったのを肌で感じました。

2. 【座学】:写真を撮る前に勝負は決まっている。脳が震えた「光の質」

「プロフェッショナル写真・映像は90%が技術、10%がこだり」

笹口さんの口から飛び出す言葉の本質に、僕の脳細胞は完全にハックされました。

叩き込まれたのは、テクニック以前の「表現の方向性」、写真を撮る前に役立つ写真知識です。特に、化粧品の広告写真におけるライティングのロジックが凄まじかった……。肌の質感や透明感、エッジを立たせる光。これらは決して偶然の産物なんかじゃなく、すべて「徹底的な物理計算と視覚心理の融合」によって導き出されているんです。

  • 光の質をコントロールする: 広告写真で使われる柔らかな光を構成するのはどのような要素なのか。トレペや紗幕といった身近な道具が、なぜあれほどまでに上質なトーンを生み出すのか。
  • 再現性のない1枚はプロの仕事ではない: ハッタリの効いた偶然の奇跡の1枚ではなく、100回撮っても100回同じハイクオリティを再現できるロジック。これこそが、第一線で走り続けるレジェンドが持つ本物の深みなんだと、深く深く思い知らされました。
福岡のフジスタジオで開催された笹口悦民写真セミナーの座学風景。マイクをつけ、手を合わせて熱弁する講師と手前の受講生たち。
第一部の座学風景。写真を「撮る前」にコントロールすべき要素、そして光をどうロジカルに組み立てるかという大前提を語る笹口氏。
福岡のフジスタジオの全景。スクリーンに「プロフェッショナル写真・映像」の文字が投影され、受講生が熱心にメモを取りながら着席して講義を受けている様子。
スクリーンに投影された講義資料をもとに、プロフェッショナル写真における「技術」と「こだわり」の定義を学ぶ受講生たち。

無限にある選択肢の中から何を選択すべきか?真似る事の重要性。事有名写真家の作品から丁寧な解説。しかし、これが受講生全員の脳内に「光の三次元マップ」を強制インストールするための最高にニクい仕掛けになっていたんです。

白いシャツを着た女性スタッフ(イソ)が白い紙を頭上に掲げ、デニムジャケットを着た講師(笹口悦民)がそれを指差して光の回り方を解説しているシーン。
フラットな白い紙を使って、構図の重要性を基本を視覚的に解説する様子。
テーブルの上に並べられた笹口悦民氏の写真集「OBSESSION」やポートフォリオ。手前には作品プリントも見える。
物販・展示スペースに美しく並べられた笹口氏の写真集『OBSESSION』シリーズやポートフォリオ。

座学の内容はネットにもあふれているかもしれない。しかし数多ある知識を知恵に昇華し、数十年という反復撮影が世界に認められるビュジュアルとなった。写真集というゴールが目の前にあると説得力がありますね。

3. 【実演】:テザー撮影で即座に答え合わせを行う贅沢

座学が終わった後、スタジオの熱気はそのままにモデルさんを交えて実演セッションへと突入しました。ここからは、いかにしてあの美しい柔らかな光を実際の撮影に落とし込むか、より実践的なアプローチが行われました。

巨大な白い紗幕(ディフューザー)の前に立ち、光の「広がり方」と「芯の残し方」の本質を体で示す笹口氏。
白い大きな紗幕の前に立ち、右手を高く掲げて光の回り方を身振り手振りで受講生に説明する笹口悦民氏。
フジスタジオ内で、黒いドレスを着た女性モデルをフォトグラファーが撮影している様子。左側に講師の笹口氏、奥には大勢の受講生が見守っている。
実際に紗幕のライティングを組み、モデルを撮影しながらリアルなトーンを確認する。
暗いスタジオ内で、ノートパソコンの画面にテザー撮影された女性モデルのポートレート写真が2枚並んで表示されている様子。
PCの画面に映し出された撮影データ。リアルタイムでテザー撮影を行い、光の回り方や肌の階調をその場でシビアにチェックしていく。

撮影されたデータが瞬時にPCの画面へと転送されるたび、受講生の間から「おお……」とため息のような歓声が漏れます。シャドウが完全に潰れることなく、かと言ってハイライトが飛びすぎることもない。絶妙にコントロールされた階調が、モニター上で美しく証明されていきました。

温かみのある光の中、背中が大きく開いた黒いドレスを着た女性モデルが椅子に座ってポーズをとっており、手前右側にカメラを構える撮影者の後ろ姿が写っている。
構築された究極の柔らかい光の中でポーズを決めるモデル。シャドウの美しさが彼女の輪郭を優しく、かつ鋭く引き立てる。
広々としたスタジオ天井の下、左側に立つ笹口氏がモデルに指示を出し、右側手前では受講生がカメラを構えて撮影しているスタジオの全体風景。
機材の配置やモデルへの指示出しなど、現場のオペレーションすべてが受講生にとって最高の手本となりました。
デニムジャケット姿の笹口氏が、黒い服を着た男性受講生の持つカメラの背面液晶を至近距離で一緒に覗き込みながら指導しているクローズアップ。
受講生が撮影したカメラの背面液晶を覗き込み、仕上がりに対して直接アドバイスとフィードバックを送る笹口氏。

撮影中、笹口さんは受講生一人ひとりのカメラの背面液晶を覗き込み、「ライトに対して少しカメラのポジションを変えるだけで、これだけ影のつき方が変わるよ」と、その場で丁寧なフィードバックを行っていました。このリアルタイムの答え合わせこそが、セミナーの価値を何倍にも高めていたのは間違いありません。

笹口さんのセミナーって、とでも和やかな雰囲気なんですよ。緊張する受講生を和ませる「口語体」の時間があったかと思えば、ライトの位置をミリ単位で微調整する瞬間、突然プロの凄み溢れる「格調高い文語調」のような鋭い空気がスタジオを支配する。この圧倒的な緩急の波に、僕たちは完全に飲み込まれていました。

グレーの背景紙の前で、スリットの入った黒いロングドレスを纏い、シャープな表情でポージングする女性モデルと、右奥で見守る受講生たち。
構築された光の中で、圧倒的な存在感を放つモデルのマリナさん。シャドウの階調がドレスの質感と身体のラインを美しく際立たせます。
フジスタジオの天井近くからのハイアングル俯瞰構図。中央に集まる大勢の受講生たちと、奥でポーズをとるモデル、左側で解説を行う笹口氏のスタジオ全体の光景。
スタジオ全体を俯瞰。ライト、紗幕、黒フラッグ(カポック)の配置バランスを全員で共有する、贅沢な学びの時間。
スタジオの床面に近い広角アングル。左側でポーズをとるドレス姿のモデルと、奥に広がるライティング機材、そして手前右側でしゃがんで見届ける女性スタッフ(イソ)の姿。
モデルさんの立ち位置に合わせて踏み台を設置するスタッフMIYUMUさん。皆さんはその細かな気遣いをお気づきだろうか?
白背景の前で、前列中央にしゃがむ講師の笹口悦民氏、中央に座る女性モデル、その周囲を囲んで写真集やプリントを手に笑顔で並ぶ受講生・スタッフ一同の集合写真。
セミナー終了後の記念の一枚。九州・福岡の地に、新しい写真表現の熱い波が生まれた瞬間です。皆様ありがとうございました!

赤木友厚氏のセミナー無事終了のポストに対し、写真家の笹口悦民氏から「赤木さんとユウジさんのご協力がなければ実現できませんでした。また是非お願い致します」と返信があり、それに対し赤木氏が深く感謝しているSNS上のコメント画面。
セミナー終了後、X(旧Twitter)での赤木友厚のポストに対し、講師の笹口悦民氏から直接お礼と次回の協力要請のコメントを頂きました。

4. 【翌日実践】マリナさんと挑む復習セッション:プロの技術は「反復練習」の先にある

「一度聞いて理解したつもりになるのは、ただの戯言だ。自分の手を動かし、同じトーンを再現できて初めて、その技術は自分の血肉になる」

セミナーから明けた翌日。脳が記憶している光の感覚を消さないうちに、僕は自分のスタジオへ向かいました。今回は特別に、モデルのマリナさん( @mamma_mia_ua )に協力してもらい、前日に笹口さんから学んだ「究極の柔らかいライティング」の完全再現に挑戦するためです。プロの技術は、地道な反復練習の先にしか存在しない。それが今回の僕の裏テーマでした。

巨大な紗幕の裏側に潜むロジックをトレースする

まずはスタジオの設営から。前日に僕の脳裏に焼き付けたライトの位置、カポック(遮光板)の配置、そして巨大な紗幕のたるみ具合に至るまで、記憶を頼りに1センチ単位でトレースしていきます。

白壁のスタジオ内で、黒い衣装を着た女性モデル(マリナ)が椅子に座り、その後方に構築された大きな白い紗幕のライトディフューザーシステムと黒い遮光ボード(カポック)の配置。手前にはスマホ付きの三脚がある。
フジスタジオでの学びを自社スタジオで再現。巨大な白い紗幕と黒カポックを緻密に配置し、モデルのマリナさんを迎えてライティングの復習を行う様子。

この記事を書いていて気づきました。光源のボックスから光が洩れまくってます。あと床に敷く黒布も忘れました。これは失敗例です(笑)

分かった気になっていた自分が恥ずかしいですね。

100回撮して100回再現するための「反復」

趣味の撮影なら愉快と見なされる「同じところを何度も行ったり来たりする」プロセス。これ自体を楽しむのも良いと思います。しかし、写真におけるこれこそが、ハッタリではないプロの再現性を生むための唯一の道です。ライトの出力を変え、モデルへの入射角を微調整し、何度もシャッターを切る。

その泥臭い反復練習の果てに、マリナさんの美しい骨格を包み込む「究極の柔らかいトーン」が、僕のファインダーの中に見事に浮かび上がりました。

黒い帽子とスタイリッシュな黒いパンツスーツを着た女性モデル(マリナ)が、椅子に足を組んで座り、ポーズを決めている美しいモノクロの全身ポートレート写真。
反復練習の成果。マリナさんのエッジを美しく際立たせつつ、シャドウへとなだらかに変化する、破綻のないモノクロームのグラデーション。

黒い帽子をかぶり、腕を組んで真っ直ぐカメラを見つめる女性モデル(マリナ)の顔を鮮明に捉えたモノクロのアップポートレート写真。
ビューティライティングの核心。肌の透明感を極限まで引き出し、目元に宿る強い意志をキャッチライトとともに捉えたクローズアップ。

答え合わせを終えて

「知っている」と「できる」の間には、深く巨大な川が流れています。今回、セミナーの翌日にすぐさま反復練習を行ったことで、笹口さんが放った「写真を撮る前に知っておくと写真が変わる!」という言葉の真意が、本当の意味でカチッとパズルのように噛み合いました。

素晴らしい表現を見せてくれたマリナさん、本当にありがとうございました!この再現性を武器に、僕のフォトグラファーとしての旅路はさらに饒舌に、加速していきます。

5. 【総括】僕たちの「写真常識」は、福岡の地で静かに崩壊し、再構築された

音楽的なリズムや、心地よい饒舌さで読者を惹きつける歌舞伎の伝統芸能のように、笹口氏のセミナーは、圧倒的な情報量の洪水で僕たちの「これまでの安易な写真の固定観念」を一度バラバラに破壊してくれます。影を恐れず、むしろコントロールすることで、究極の柔らかさを表現する。そんな「新しい網膜」をその場にプレゼントしてくれるんです。

参加した受講生の皆さんの頭の中には、単なるライトの配置図ではなく、「光の本質を追い求め続けるためのリズム」が深く鳴り響いたんじゃないでしょうか。

今回の福岡開催という素晴らしい機会を作ってくださったARTOLOGY(株)さん、最高の空間を提供していただいたフジスタジオ(株)さん、そして僕たちの目をこじ開けてくれた講師の笹口悦民さん、本当にありがとうございました!

九州の地から、世界をあっと言わせる写真表現を。僕もフォトシアの一員として、精度高く光を操り、今日からまたシャッターを切っていきたいと思います。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。赤木友厚でした!

読者の疑問に答えるFAQセクション

Q1. セミナーで登場した3Dライティングソフトは、初心者が使っても意味がありますか?

A1. めちゃくちゃ意味があります!頭の中だけで「光の軌道」を想像するのは、僕たちプロでも結構ハードです。ソフトを使って画面上で「ライトを近づけると、影の境界線がどう変わるか」を視覚的に体験しておくことは、実際のスタジオ撮影での大失敗を防ぐ最強の予習になりますよ。ソフトは「set.a.light 3D」です。

Q2. 今回の化粧品広告のライティングは、普通の人物ポートレートにも使えますか?

A2. 完全に、100%応用できます。まさに今回の実演テーマが「柔らかいポートレートビューティライティング」だったように、化粧品撮影で求められる「肌の透明感を出す光」は、人物撮影において被写体の魅力を何倍にも引き出すための基礎中の基礎。光の本質は、相手が「物」でも「人」でも全く同じですからね。

Q3. 福岡での次回開催や、今回のようなスタジオの機材レンタルについて知りたいです。

A3. 今回の福岡セミナーは大盛況で、みんなの熱量が凄まじかったので、主催のARTOLOGY(株)さんや現地のフジスタジオ(株)さんも、きっと次の一手を考えてくれているはずです!新しい情報が入り次第、僕のこのブログでも速報でお伝えしますので、ぜひブックマークしてチェックしておいてくださいね。

ARTOLOGY(株) | 写真家 笹口悦民 イベント運営会社

https://www.instagram.com/sasaguchi_event

フジスタジオ 福岡

https://fujistudiostrental.myportfolio.com

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この記事を書いた人

赤木 友厚のアバター 赤木 友厚 経営者・フォトグラファー

福岡県出身。フォトシア株式会社 代表取締役。旅行業界で培ったグローバルな視点と、WEB制作のスキルを活かし、2010年に独立。2022年に法人化。

【コンセプト】
社名「フォトシア」は、写真(Photo)と記録(Dossier)を融合させた造語です。単なる記念撮影に留まらず、個人のアイデンティティを深く刻み込む「記録としての写真」を追求しています。

【実績・受賞歴】

九州PMD GOLD 受賞

西日本最大級FPF 受賞

WEB制作・情報整理の知見を活かしたビジュアルブランディング

【使用機材】

Sony α7RV(高画素静止画)

Sony FX3(シネマティック動画)

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