CGなしで挑んだ『浮遊』の舞台裏。エックスファクター制作秘話

アナログにこだわった、ミリ単位の浮遊表現

今回の作品「エックスファクター」において、最もこだわったのが「浮遊」の表現です。 日常のアイテムが重力から解放される瞬間を、CG(コンピュータグラフィックス)ではなく、すべて実写で作り込みたいと考えました。その理由は、実物が持つ質感と光の反射が、作品にリアリティと説得力を与えるからです。

緻密なスタジオセットとライティング

作品「エックスファクター」撮影の裏側。紫のネオンライティングの中、糸で吊るしたゲーム機や植物を配置した緻密なセットの全景。
撮影中のモデル・今野苺さんと浮遊する小道具。CGを使わず、現場での作り込みで表現する撮影現場のメイキングカット。

撮影スタジオは、昼間の自然光を遮断することから始まりました。天井に黒い遮光布を張り、ライトスタンドを駆使して理想的な光を作り出しました。 紫とピンクのネオンライトは、単なる色ではなく、被写体に当たる光の方向や強さをミリ単位で調整しています。このスタジオセット自体も、何度もシミュレーションが繰り返されました。

テグスによる吊り込み

目次

テグスで吊るされた小道具(コントローラー、観葉植物、ランプシェード)。明るい環境で見ると、そのアナログな手法がよく分かります。

Nintendo Switch、コントローラー、観葉植物、ランプシェード。これらすべてを、細いテグスで天井やライトスタンドから吊るしました。 風で揺れないよう、テグスのテンションや固定方法を試行錯誤。モデルの今野苺さんの動きに合わせて、小道具が最適な位置に来るよう調整を重ねました。

実写ならではの質感と、受賞への貢献

福岡県立美術館に展示された4枚組写真作品「エックスファクター」。ピンクと青のスプレーアートが施された壁に、2×2のグリッド状に配置された展示風景。キャプションパネルも見える。

手間はかかりますが、アナログな手法だからこそ、実物の持つ質感や光の反射が忠実に表現されます。 美術館での大判展示においても、このリアリティが来場者を引き込み、GOLDという賞に繋がったと確信しています。

テグスを消すのも一苦労でしたが、その甲斐がありました!

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この記事を書いた人

赤木 友厚のアバター 赤木 友厚 経営者・フォトグラファー

福岡県出身。フォトシア株式会社 代表取締役。旅行業界で培ったグローバルな視点と、WEB制作のスキルを活かし、2010年に独立。2022年に法人化。

【コンセプト】
社名「フォトシア」は、写真(Photo)と記録(Dossier)を融合させた造語です。単なる記念撮影に留まらず、個人のアイデンティティを深く刻み込む「記録としての写真」を追求しています。

【実績・受賞歴】

九州PMD GOLD 受賞

西日本最大級FPF 受賞

WEB制作・情報整理の知見を活かしたビジュアルブランディング

【使用機材】

Sony α7RV(高画素静止画)

Sony FX3(シネマティック動画)

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